猿払事件
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郵便局員は勤務時間外に、ある政党を支持する目的で衆議院選挙選挙用ポスターを提示・配布したことが、公務員の政治活動を一律に禁ずる国家公務員法102条等に違反するとして起訴された。
争点となった法律
憲法21条
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
国家公務員法102条1項【政治的行為の制限】
職員は、政治又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らかの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
公務員の憲法規定
第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
最高裁は
「公務員の政治的中立性を損なうおそれのある公務員政治的行為を禁止することは、それが合理的でやむえない限度にとどまるものである限り、憲法の許容することである」とし、国家公務員法102条等の規定は、
①行政の中立的運営とこれに対する国民の信頼に確保という禁止目的の正当であり、
②そのために公務員の政治的中立性を損なうおそれがあると認められる政治的行為を禁止することは、禁止目的との間に合理的な関連性があり、