債権その4
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詐害行為取消権
第四百二十四条
債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。
債権者側の要件
被保全債権が(原則)金銭債権であること。(特定物債権でも行使可能ですが、特定物債権に発生する損害賠償債権保全のために認められ、特定物債権そのものの保全のためには認められません。)
詐害行為前に被担保債権が成立していなければなりません。
物的担保を有する債権
担保物の価格が債権額に不足する限度で行使できます。
物上保証人の場合は債権の全額に対して行使できます。
人的担保を有する債権
保証人や連帯保証人がついている債権に対しては全額に対して行使できます。(判例)
債務者側の要件
無資力であること。
財産権を目的とした法律行為であること。
債務者に詐害の意思があること。
行使方法
裁判上の行使です。
行使の相手方
受益者・転得者になります。
※善意の相手方には行使できません。
行使期間
第四百二十六条
第四百二十四条の規定による取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
※「取消の原因を知った時」とは債権者が詐害の事実を知っただけでは足りず、債務者に詐害の意思があることを知ったときからです。
効果
第四百二十五条
前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。
金銭は、直接自己に引き渡すように請求できます。(判例)
不動産の登記は直接自己に対する移転登記を請求することはできません。(最判S53.10.05)
※すべての債権者には取消の相手方である受益者は含まれません。
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