債権その2
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債権の対内的効力
債務者に対しして主張できる効力のことをいいます。
履行の強制
直接強制
債務者の意思にかかわらず、国家権力に力で債権の内容を直接的に実現することです。
第四百十四条
債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
代替執行
2 債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
3 不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。
4 前三項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
間接強制
債務者に一定の金銭の支払義務を課すことにより、債務者を心理的に圧迫して、間接的に債務の履行を強制することです。(民事執行法172条)
ただし、債務者の自由意思が尊重される債務については認められません。
判例は、幼児の引渡義務については認めています。(大判T元.12.19)
妻の同居義務については認めていません。(大判S5.9.30)
債務不履行
第四百十五条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
※相当の期間を定めて催告しても履行がない場合は契約の解除もできます。
・履行遅滞
第四百十二条
債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。
3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
要件
① 履行が可能なこと
② 履行期が経過したこと
③ 債務者の帰責事由に基づくこと
④ 遅滞が違法であること
損害賠償請求
遅延賠償と履行の請求できます。
填補賠償もできますが、原則として債権者が契約を解除したときに認められます。
※履行遅滞後、相当の期間を定めて催告している場合は契約を解除せず、填補賠償の請求もできます。(判例・通説)
損害賠償の範囲
第四百十六条
債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
損害賠償の方法
第四百十七条
損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
過失相殺
第四百十八条
債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
損害賠償の予定
第四百二十条
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
※あまりに高額の予定は90条に違反す限度で無効です。
損害賠償による代位
第四百二十二条
債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。
・履行不能
要件
① 債権成立後履行が不能になること
② 債務者の帰責事由に基づくこと
③ 不能が違法であること
効果
履行の強制は認められません。
損害賠償請求
填補賠償が請求できます。
※一部が不能となっただけでしたら、不能の部分のみの填補賠償になります。
契約の解除
催告なしで解除できます。
・不完全履行
要件
① 履行が不完全なこと
② 債務者の帰責事由に基づくこと
③ 不完全履行が違法であること
損害賠償請求及び完全履行請求
追完不能な場合は損害賠償請求を行います。
契約の解除
追完不能な場合は即解除できますが、追完可能な場合は相当期間を定めた催告後、解除できます。
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