多数当事者の債権と債務関係その3

August 9, 2017

保証債務
保証人

 

四百四十六条

保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。

2  保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

3  保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

 

※主たる債務者の意思に反するときでも保証契約は有効に成立します。

 

第四百四十七条

保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。

2  保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

 

※保証人は契約解除による原状回復義務にも責任を負います。(最大判S40.6.30)

 

保証人の負担が主たる債務より重い場合

 

第四百四十八条

保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

取り消すことができる債務の保証

 

第四百四十九条

行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

※契約を取り消しても保証人は支払い義務を負います。

 

保証人の要件

 

第四百五十条

債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。

一  行為能力者であること。

二  弁済をする資力を有すること。

 

2  保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。

3  前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。

 

第四百五十一条

債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、他の担保を供してこれに代えることができる。

 

催告の抗弁権

 

第四百五十二条

債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。

 

検索の抗弁権

 

第四百五十三条

債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

※債務者に一度執行すればその実効性がなかったとして、後日債務者の資産が回復しても改めて執行する必要はなく、保証人にたいして執行できます。

 

第四百五十四条

保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。

 

第四百五十五条

第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。

 

主たる債務者の有する抗弁の援用

 

第四百五十七条

主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。

2  保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。

※主たる債務者が時効の援用を放棄しても保証人には及びません。

主たる債務者・保証人について生じた事由

主たる債務者に生じた事由は原則としてすべて保証人に効力が及びます。

保証人について生じた事由は、主たる債務を消滅させる以外主たる債務者に影響を及ぼしません。

 

※保証人が時効利益の放棄、保証人に対する債権譲渡通知等は債務者に対して効力をおよびませんが、保証人が主たる債務を単独で相続しそのことをしりながら弁済をした場合には、特段の事情がない限り主たる債務の承認がされたこととなり、主たる債務の消滅時効は中断します。(最判H25.9.13)

 

 

 

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