外務省秘密電文漏洩事件
小説やTVドラマにもなった「運命の人」のモデルとなった判決です。
外務省の機密事項を、新聞記者が外務省女性事務次官から男女の肉体関係に乗じて入手し、社会党議員に流したため、事務次官と記者が国家公務員法違反に問われた。
最高裁は、取材の自由が憲法21条の精神に照らし尊重に値するとしたうえで、
「報道機関が公務員に対し根気強く執拗に説得ないし要請を続けることは、それが真に報道の目的からでたものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為というべきである」
としたが、
「被告人の取材行為は、取材対象の女性事務次官と肉体関係を持つなど、人格の尊厳を著しく蹂躙したものであり」として違法とした。
最判S53・5・31
要は、肉体関係さえもたなければ取材の自由が尊重され無罪。
その後、この極秘文書の存在がアメリカの外交文書公開で、明らかになっていますが、外務省と財務省は未だに情報開示を拒否しています。
hy東京探偵事務所 町田オフィス